ゲスト:吉岡 斉(九州大学副学長)
司 会:宮崎哲弥(評論家)
福島第一原発の事故以降、エネルギー政策の見直しが論議されている。
これまで日本のエネルギーを支えてきた原子力政策、そして安全性を
あらためて考える。
宮崎哲弥のトーキングヘッズ
吉岡「福島は汚染水とガスを抑えられず、先が見えない。
4/17に出された東電の工程表/年内に冷温停止するというタイムテーブル。
私はそれをみて驚いた。
3月下旬時点で地下に何万トンもの汚染水がたまっていた。
その汚染水は炉心から来る以外になくて、すなわち格納容器をスルーしていたことは明らかだったわけで、だから水棺とかできるわけがなく、何でこんなバカなことを云うんだと思っていた。(専門家なら)みんなわかっていた。
5月の半ば(5/12)になってメルトダウンと云い、6/7になってメルトスルーと云った。」
宮崎「専門家がわかってるのに、政府は何で後手後手で認める形になるんですか?」
吉岡「東電が(デタラメな工程表を)出すのは勝手ですけど、なんで政府が認めるかというのはワケがわからん話で…」
宮崎「冷温停止ができる見通しはあるのですか?」
吉岡「見通しがないと云わざるを得ない。格納容器にはものすごい高レベルの放射能が溜まってる。それを塞ぐ作業なんてできるとは思えない。有人では絶対ムリ。しかし塞がないと水で満たす事はできない。水で満たさないと、核燃料を少しずつ炉から外していくという作業もできない。そういう作業を始められるには、5年から10年かかるのでは。」
宮崎「5年から10年…?(絶句)それまでは水を入れ続けて、崩壊熱を冷やし続けないとならないのか?」
吉岡「はい」
宮崎「その汚染水はどうするんでしょう。」
吉岡「別の場所に貯めて、濃縮処理をして、放射性廃棄物として処分場に。それを何年も何年もやるしかないのでは。
(政府は循環注水冷却すると云ってるが)地下水に大量に漏れだしているのだから、循環はできない。
大量の汚染水が出た(そしてこれからも出続ける)というのは、世界でも初めてのケースですから、海にも出るでしょうし、地下水から地上に出てくるでしょうし、今後も常時モニタリングしなければ。気がついたら所々に高濃度の汚染水が湧きだしていたということになると話になりませんので…」
2011年6月17日21時19分 読売新聞
汚染水浄化が本格稼働、18日にも「循環冷却」
<原子炉から漏れ出た汚染水を浄化して原子炉に戻す、世界でも例のない「循環注水冷却」が実現する。
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翌日それは稼働5時間で停止したhttp://